その次の日も。
次の日も……。
かなえさんは現れなかった。




さすがに心配になってくる。
心配になったオレは、それから毎日、かなえさんを待って閉館ギリギリまでいるようになった。
勉強も手がつかない。
何をしても頭から離れない。




……かなえさん。
何かあったのかな。




心配は大きくなって。
そして苛立ちも覚えてきた。




だっていい加減……。
待つのに飽きてきたから。
会えない事に嫌気がさしてきたから。




そう思いながら閉館時間を迎えてしまい。
オレは1人図書館を出た。




「あ……雨」




中にいたから雨が降ってる事に気付かなかった。
傘……持ってきてないのに。
そう思って大きな溜め息。




「走って行くか」




そう独り言を言った時だった。
オレは足を止めた。




だって……オレがずっと待っていたかなえさんが。
図書館の隅にびしょ濡れで立っていたから。
その姿を見てオレは気付いたらかなえさんの方に走っていた。