「…小唄は、俺達のこと、
 何にも全く覚えてないの?」



「お母さん達のこと覚えてないのに
 覚えてるわけないよ…」



…なら今から覚えさせればいい。




「そっか。まあよろしくね?」




「…うん?」





それからしばらく小唄と話して





帰ろうと病院を出た。






「何で俺達のことを話さなかった?」




「無理に思い出させても、小唄は
 忘れたことを後悔するだけ」




「…それはそうだけど、逢いたかった
 俺達の気持ちはどうなるんだよ」






そんなの決まってる。








「そりゃあ、今から思い知らせるんだよ」