それが間違いだった。 人質の女は、京子同様、命をかけて窪田を愛していたんだ… 窪田に銃口を向けた俺を両手でつかみ、後ろ向きに俺ごと飛び降りた。 俺たちは百数十m下へ真っ逆さま… となるはずが、窪田の身体能力は人間とは思えない、並外れたもので、俺と女の腕は窪田の両腕にそれぞれつかまれ、宙吊りになった。