俺は確実に、裏の世界での地位を確立していった。


 もともと悪行の才能があったんだろうな…


 潜入捜査官なんか、いかにして裏の世界でのし上がるかに全力を尽くすわけだから…


 俺がある組織のリーダーとなり、そして俺の率いる組織が巨大化するのに、大して時間はかからなかった。


 でも、手下は増えても、使えるヤツはいなかった。






 腕のいい殺し屋の存在を耳にしたのは、そんな時だった。


 そいつは迅速に、かつ確実に依頼された仕事をこなすという噂だった。


 俺は試しに近付いた。


 疑り深いヤツで、俺の話を少しも聞かず、邪険に追い払われた。


 





 もちろん


 俺は諦めなかったさ…







 そいつの腕は確かだったし


 それに


 俺はそいつにどうしようもなく惹かれたんだ。