「 え?神崎の弱点?」

「 うん。大塚さんなら知ってるんじゃないかなって… 」



本人に訊いてもわからないので、亮佑くんの彼女の大塚さんに訊いてみた。


「 神崎の弱点か〜… 」


大塚さんはそう呟きながらうーんと頭を抱えた。

どうやら彼女の大塚さんから見ても、彼に弱点はないらしい…



「 弱点、ないかも…

なんかムカつく… 」


そう言って大塚さんは頬を膨らませた。

ムカつく…って、彼女なのになんてことを言うのだろうと僕は思った。





「 誰がムカつくだ… 」


そう声を上げて
不機嫌顔の亮佑くん登場。


言いながら亮佑くんは大塚さんの腕をぐいっと引いた。

その瞬間、大塚さんの顔がさっと青ざめた


「 か、神崎…っ、」

「 …来い 」


青ざめる大塚さんに対し亮佑くんは静かにそう言い、有無を言わさず大塚さんを連れ去った。

立ち去る途中
亮佑くんは振り向き、怖い顔して僕を睨んだ…。


そんな彼の表情を見て僕は悟った。

…どうしてこんな簡単なことに気付けなかったんだろう




亮佑くんの弱点…


それは

大塚さんだ。



…やっぱり亮佑くんは面白い。


だって、なんだって余裕にこなすくせに大塚さんが絡むと余裕なんて何処へやら。でもそんな様子は絶対大塚さんには見せない。


ほんと、面白いよ…




そんなことを思いながら

僕は笑って2人の後ろ姿を見つめたんだ…。





亮佑くん、大塚さん


どうぞお幸せに♪

fin