「 亮佑くん!弁当食べよう!!」


爽やかスマイルでそう声を上げながら神崎に駆け寄って来た彼、隣りのクラスの成瀬くん。


自称・神崎の親友…

神崎が言うには、体育の授業で一緒になったのがきっかけでそれ以来ことあるごとに付きまとわれてるらしい

…が、悪い人ではないらしい。




成瀬くんはニコニコと笑いながら、私と神崎が一緒に昼食を食べている間に入ってきた。


恋人っぽい雰囲気がないとは言え、私と神崎は恋人なわけで…

空気読めとか成瀬くんに思ってしまう私は、心の狭い女なのだろうか……


自称とは言え、彼は神崎の(数少ないであろう)友人なのだから、そんなこと思っては駄目だ。





「 亮佑くん、今日の体育バスケだって!」


「 …そうか。」


「 うん!亮佑くん、こないだの体育でバスケ部の連中相手に勝ちまくってたよね!中学でバスケやってた?」


「 …いや 」


「 そうなんだ!それなのに凄いね!!じゃあ、中学はなに部だったの?」


「 …帰宅部 」



…こんな調子で、神崎と成瀬くんは話している。

この無愛想な神崎相手に、よくここまで話を盛り上げられるもんだと私は感心した。


饒舌な成瀬くん

寡黙な神崎


なんとも対照的な2人だ。


私がそんなことを考えてる間にも、2人は(成瀬くんが一方的に)喋り続けていて、私はおいてけぼり…


端から見れば、

彼女の私より成瀬くんのほうが神崎と仲が良さそうで、ちょっと惨めな気持ちになった…



というか、


成瀬くん…

神崎のこと名前で呼んでる