部屋に入って神崎にミルクを紹介すると、

ミルクは人見知りもせずに、神崎に甘えた声を上げてすぐになついた。


そんなミルクを神崎はすっかり気に入ったようで、膝の上に乗せて遊んでいる。


神崎はずっとミルクにばっかり構っているせいで、私は一人ぽつんとしていた。




彼氏が部屋に来ているのに、これはいったいどういうことだ…。




「ねぇ、神崎」

「なんだ」


呼び掛けるものの、神崎の意識は完全にミルクに向かっていた。

私はなんだか面白くなくて、むすっとしたままこう言った…


「むかつく」

「は?」

「だから、神崎むかつく」

「喧嘩売ってるのか」


神崎の眉間に皺が寄る。
そんな神崎に私はますますむすっとしてしまう…


「別に…

喧嘩なんて売ってないし…」


そう言ってそっぽを向いてしまえば、可愛くない女の出来上がりである。


そんな可愛くない女を見て神崎はふっと笑った。



「あぁ、猫に焼きもち焼いてるのか」


「はっ、はぁ!?

そんなわけないじゃん!!馬鹿じゃないの!?」



言い返したけれど、図星だということはもう神崎にはバレバレだ。


神崎はニヤリと意地悪く笑い、ミルクを膝から下ろして言った…


「座っていいぞ」