突然出てきた陸に、神崎は足を止める。

私は慌てて2人の間に入り、神崎に陸を紹介する。


「弟の陸。ごめん、生意気な奴で…」



陸はそんな私の言葉を無視し、神崎への挨拶もすっ飛ばしてさっきの言葉を続けた…。


「頭良くて、そんだけ顔いいのに、なんで姉ちゃんなの?」



弟の生意気なその口調に私はげんこつを落とした。



「失礼でしょ、ばか陸」

「いってぇ

なんだよ、俺は姉ちゃんが遊ばれてんじゃないかって、心配して……」

「余計なお世話!このシスコン!!」

「はぁっ!?」


陸が不機嫌そうに私を見るけど、私は気にせず神崎を連れて2階の自分の部屋に向かったのだった…。




「ごめんね、騒がしい家族で…」

「別に…」


部屋に入ると神崎はいつもの無愛想な調子でそう答えたのだった。