…ピンポーン
玄関のチャイムが鳴った。
チャイムの音に、私の心臓は跳ね上がった。
緊張しながらも私は急いで玄関に向かって廊下を駆ける…
「はーい」
と声を上げて、ドアを開けようとノブに手を掛ける。
開けようとした瞬間、背中に視線を感じた。
振り返れば、上から…父、母、弟、ミルクの順に、リビングから廊下に顔を出してこちらを見ていたのだ。
私は3人に「しっしっ」と、手で払う仕草をして顔を引っ込めるように促す。ミルクだけはこっちにおいでと手招きをした。
寄って来たミルクを抱え、3人が顔を引っ込めたのを確認してドアを開けた…

