「母さんも姉ちゃんも朝っぱらから騒がしーな…」
お母さんと言い合っていると、弟の陸が割って入って来た。
「あら、りっちゃんおはよう」
「おはよ。
つーか、なんで赤飯なんて炊いてあんの…?」
低血圧気味な弟はぼけーっとした顔でほかほかの赤飯を見つめた。
そんな陸に母はにこにこしながら応えた。
「今日ね、お姉ちゃんの彼氏が家に来るのよ」
「はぁっ!?」
お母さんの言葉に、陸は一気に眼が覚めたように大声を上げた。
「…姉ちゃん、男いたんだ」
陸が信じられない物をみるような目で私を観た。失礼にも程がある。
「失礼な。
これでも健全な女子高生なんだからね、彼氏くらい居るわよ」
「へぇー、随分物好きな…」
「ちょっ、どういう意味よ」
「別にー」
…ムカつく!!