っていうか、家に神崎を呼ぶことも始めてだ…!
私の部屋見られるよね!?
掃除しなきゃっ!!
家のなかで何着てたらいいの!?
部屋着じゃ色気ないし。かといってデートの時みたいに気合い入れるのも不自然かな…!?
いろいろすることとか、考えることありすぎて私はパニック寸前。
夜中まで部屋の片付けをして、洋服を選んで…
そして、神崎と両親の対面のことを考えると緊張して眠れなかった…。
寝不足のまま翌朝を迎え、
着替えを済ませて一階まで降りると…
台所でお母さんが朝食…ではなく、赤飯を炊いていた。
「ちょっ、お母さんなにしてんの!?」
「あんたが彼氏連れ来るなんて初めてじゃない。お祝いしなくちゃ」
「しなくていい!!」
「えー…」
「頼むから普通にしてて!!」
拗ねるお母さんに言い聞かせ、私は溜め息を吐いた。
お母さんがこんな調子だと、お父さんの方も不安になってきた…。
お父さんにも、なにもしないように今のうちに言い聞かせようと思いリビングの方へ目を向けるけど、そこにはいつもいるはずの父の姿はない。
ミルクがテレビの上で寝ているだけだ。
「お父さんは…?」
「床屋さんに行ったわよ」
母に尋ねると、そんな返事が返って来た。
「床屋!?」
「お父さんも緊張してるのよ」
ふふっと笑いながらお母さんはそう言った。