テーマ【外出デート】



始まりは、成瀬君のこの言葉だった……


「この前さ、亮佑君とダーツバーに行ってきたんだ!」


成瀬君に、神崎とダーツバーに行ってきたことを自慢された。

ダーツをする神崎はかっこよかっただとか、さんざん惚気られた。


私、彼女なのに……


なんかムカつく。

成瀬君もムカつくけど、神崎もムカつく。


だいたい、なんでダーツバーって、ちょっとお洒落な場所に成瀬君と行くわけ?

一応彼女の私とそんなお洒落な場所に行ったこともないのに…っ!!



成瀬君に負けるのも悔しいので、私は神崎に言った


「お出掛けしたいです」

「は?すればいいだろう」


「"すればいいだろう"じゃないっ!!

神崎と、お出掛けしたいの!!」


「…お前、いつもモカの散歩について来てるだろう」


「違う!!

散歩じゃなくて、デートがしたいの!!」


頭いいくせに、どうしてこういう時は鈍いんだ…。