「 …あの、大塚さん 」
混乱する私に、
高橋さんはおずおずといった様子で声を掛けた…
「 …な、なんですか…?」
動揺を隠しきない返事
そんな私に、
高橋さんは思いもよらぬことを口にした。
「 あのね、
…神崎君に、
"成瀬君にチョコ渡してくれてありがとう"って伝えておいて欲しいの」
「 ………えっ 」
間抜けな声が出た。
高橋さんはそんな私の声も気にする事なく恥ずかしそうに頬を染めながら事の経緯を説明をする。
「 私ね、ずっと前から成瀬君のこと好きで、このバレンタインに告白しようて思ったの。
…だけどね、当日になって勇気が出なくてチョコ渡せないでいたの。
それを神崎君に知られて…
神崎君って成瀬君と仲良いでしょ?…だから駄目もとで、彼にチョコを頼んだの。そしたら引き受けてくれて、それで成瀬君と付き合えることになったんだけど…、
神崎君にお礼しよう思ったんだけど最近の神崎君なんだか不機嫌で…、怖くて声掛けれなくて……
大塚さんって神崎君と付き合ってるんでしょ?だから、神崎君に"ありがとう"って伝えてくれないかなって…… 」
高橋さんの言葉に、私は自分がなにもかも勘違いしていた事に気付く。
それも、とんでもない勘違いだ……
…そして、高橋さんの言葉を全て聞き終わる前に、私は走り出した。
「 …神崎っ!!!」
教室に入ると、神崎しか残っていなかった。
神崎はなにも言わずに私を見た…
「 神崎…あの…っ 」
どう謝ればいいのか…、なにから説明すればいいのか…
そんなことを考えて言葉が詰まる。
「 なんだ…?
別れ話か?」
冷たくそう言われてしまい、
私の涙腺は、とうとう決壊した……

