「それはできない。」 「なんで?そこは意地でもしてよ!」 「いや、意地でもしない!」 「頑固!意地っ張り!私の事なんて信じてくれてないくせに!」 ――――――バサッ 傘を投げ捨てる音がして、私の傘もついでに吹っ飛んで、背中には暖かい温もり。 「大嫌いなんて言うなよ。」 玲央が後ろから抱きついてきた。 「ちょ、濡れるし…離してっ…」 私は予想もしていなかった展開に頭が着いていかない。 「いやだ、離さない。」 「なんでよ…………」