「…何でも出来るよ、私」

無人の部屋で佇み、1人でそう呟いてみる。

…何でも出来るでしょ?鈴嘉。

…うん、出来る。大丈夫。まだ頑張れるよ。
鈴嘉は偉い子だもん。

…大丈夫、大丈夫。

私だけが不幸なんじゃない。こんなのよくあること。

私は俯きながら、制服のリボンを軽く握る。
私の足元には、私の影がたった1つ、ポツンと伸びていた。