『何でよ!?だいたいアンタが悪いんでしょ!?安月給で家族もロクに養えてないクセに、他に女なんか作って!』
『言っていいことと悪いことの区別もつかないのかこのクソ女っ!』
バキッ!
鈍い音と共に、お母さんが床に倒れ込む。
『お母さんっ!』
幼い私は慌ててお母さんに駆け寄り、お母さんにしがみつく。お母さんはそんな私の腕を振り払い、私を睨みながら言った。

『アンタが生まれてからずっとこの調子よ!アンタなんて天使になれる訳がない!こんな悪魔男との間に生まれたんだからッ!』



その言葉は
真っさらな私の心に
深く深く突き刺さり、
淀(よど)んだ傷痕に
血を滲ませた。