トクントクントクン──…と激しく波打つ鼓動 背中には、しっかりとあたしの体を支える大きな手の感触──…。 「大丈夫?」と言われ顔を上げると ───「あっ─…君─…」懐かしい瞳が、そこにあった──…。 「あっ、ありがとう─…ございます─…」 すぐに彼から放れて、あたしは──… 「えっ!?ちょっと!」と彼が言う声も聞かないで、彼から逃げるように走り出した。