「あ、絵玲奈!!」
呟いて立ち尽くしてるあたしに気付いた亜季がこちらに向かって指座す。
「あ、ほらあいつだよ友達友達!!」
あいつ呼ばわりかい!
警備員さんと睨み合ってたみかん頭の男に心の中で突っ込む。
「本当ですか?」
みかん頭に疑うような視線を向けてからあたしに聞いて来る警備員さんにあたしは少し考えるような素振りをしながら口を開く。
『そこの3人は友達ですけど、そのオレンジは…』
あたしが言い切らないうちに、警備員さんの鋭い視線がみかん頭の男に向けられた。
「はっ!?おい!!」
慌てふためくみかん頭に内心笑いながら、時間も無い事だし、警備員さんに知り合いだから大丈夫という事を伝えると、ちょっと納得いかないような顔をしながらもこの場からちょっと離れた所に去って行った。

