コツコツ…
『とっ…!』
靴音を響かせて歩いたかと思ったらすぐに躓いて転びそうになる東條姉。
これはヤバいな…。
途中で口出ししたくなったけど、とりあえず最後まで歩かせた。
『ど、どうよ…!』
明らかに、動揺した様子なのにそれを隠すように偉そうに言う東條姉。
「………」
呆れるっつーか逞しいっつーか…。
『なっ…何よ?』
俺が黙ってるのが不服らしく、落ち着かなそうに言う姉。
まぁ、ハッキリ言って……
「…下手くそ」
『なっ…!』
「何処がびっくりするほど上手いんだよ」
ハッタリだとは分かってたけど、本当に下手くそだな。
『しょっ、しようがないでしょ!ウォーキングとかちゃんとやった事無いんだから!!』
「開き直ってんじゃねーよ。今時小学生の方がもっと上手く歩くぞ」
『むっ…!小学生!?』
あり得ない!みたいな顔してるけど、小学生モデルとかの方が上手いかもな。

