「いやいや、手が滑ってしまったもんですいません」
クイッとメガネを上げて立ち上がると辞書を拾いに行く真面目くん。
『って…!今のマジ…じゃなくて、君が!?』
君ってなんだあたし!!
「何言ってんだよエレエレ!こいつしか居ねぇだろうが!!」
何か怒ってる時にエレエレとかマヌケなんだけど…。
「私の名前は君でもはこいつでもありません。あぁ、ちょっと傷が…」
拾い上げた辞書の埃を払いながら言う真面目くん。
「おい、てめぇそんなもん投げときながら物の心配かよ」
ヤンキーが眉間にシワを寄せて言いながらヤンキーに近づく。
確かにヤンキーの言う事はもっともだよね。
当たったらかなりヤバイし!!
でも、はたから見たらヤンキーが一方的にいちゃもんつけてるみたいに見えると思う…。

