君との間に永遠を夢見たことがあった。
その頃の私は今よりもずっと子供で、永遠を疑ったりはしなかった。



別に私達は付き合っていたわけではないし、無論将来を約束していたわけでもない。
君には結婚を約束していた女の人がいて、私達の関係は簡単に言えば「お隣さん」
もう少し期待を込めて言うなら「幼馴染み」
別れもなにもない当たり前の日常的存在。



彼女がいても寂しいとは思わなかった。
ただどこかで穴が開いては空気が抜けていくような、そんな奇妙な感覚を覚えたのは確かで。
名前をつけることの出来なかった感情を抱きつつ、永遠という甘美な余韻に幸福を描いていた。



危うさに気づかなかった愚かな私は今、笑う他に何ができるのだろう。
日常に描かれるはずがなかった黒一色の服は、あまりに不格好すぎて…
悲しみはやってこない。