美人薄命



「ちーす。」


不意に扉が開き、全員が声の方へ目を向けた。


「は?…今日貸し切り?」


全員に注目され、他に客が居ないことに気付いたらしいお客さんが立っていた。


たぶん私たち四人は言いたい事が多過ぎて誰も言葉に出来なかった。


「いや…呑気に"ちーす"じゃないからっ!」


少しの沈黙のあと第一声は芽衣だった。


「春!今まで何処に居た?皆心配してたんだぞ。」


そう、お店にやって来たのは紛れも無く春人くんだった。

そして陽平さんが1番気になっていた事を聞いてくれる。


自分が注目された理由に納得したように頷くと

「アメリカ。…で店やってないの?腹減ったんだけど。」


何事もなかったみたいに答えた。