美人薄命



そう言うと彼は真剣な眼差しで私を見ている。

隆司くんのような人ならきっと幸せになれるんだろうな。
けど…


「ごめん。」


「謝んなって!判ってて言ったんだから。」


謝る言葉しか出てこない私に笑顔を向けてくれる隆司くん。


「うん、ありがと。」


「お前はバカみたいに笑ってる方が似合うんだから…心配させんな。」


「バカみたいって…」


「ははっ言葉の通りだよ!じゃあな!」


私の頭にポンッと手を乗せると笑いながら帰って行った。


私はタクシーを拾わずにそのまま歩いて帰る。



少しドキドキしている。
隆司くんがあんな真剣な目をしたのは初めて見たから。

それと同時に春人くんが好きなんだと実感させられた。


頭のどこかで急に居なくなったから気になってるんじゃないかと、好きだと勘違いしてるかと思ってた。

まだ人を好きになるのは怖い。


けれど怖さや不安よりも春人くんに会いたい気持ちが強かった。