美人薄命



気になって何度かお店の前まで行ったけど開いていることはなかった。


どうして急に居なくなっちゃったんだろう。
何かあったのかもしれない。


もうこのまま会えないかもと考えると、胸の奥が苦しくなった。


会ったのも数回だし
連絡先も何処に住んでいるのかも知らない。

インテリアショップを経営していて
椅子を造っていて
無口で無愛想で髭男。
でも優しく笑うってだけ。


春人くんの事はそれだけしか知らない。


知ってる事は数えられるのに
知らない事は山ほどある。


それでも…


私は春人くんが好きになってる。



胸がドキドキするような激しい恋じゃないけど、それでも胸の奥の痛みは同じ。


けど、何処に居るのか
またお店で会えるのか
何も判らない。


「…会いたいな。」


天井でキラキラ光る照明のスプートニクを見上げやり場のない気持ちを吐き出した。