「たか・・・裕!?大丈夫??」
「ん・・・?ああ、大丈夫・・・。ごめん」

実優が支えてくれたみたいだな。
俺は実優から離れてこころの親父のところに行った。

「なんでこころの親父さんがここにいるんですか?」
「こころ・・・か。随分懐かしい名前を出したな」
「懐かしい?自分の娘じゃねーかよ!!!」
「その俺の娘を殺したんだろう?君が・・・」
「何が言いたいんですか?」
「君がちゃんと時間通りに行ってればこころが死ぬこともなかった。玲(レイ)・・・こころの母親も死ぬこともなかった。君のせいであの頃の俺の家庭はぐちゃぐちゃだったよ」
「玲さん・・・亡くなったんですか?」
「"こころがいないならあたしもいる意味がない"という遺書を残して自殺したよ」
「え・・・?自殺?俺のせい・・・・・・」
「全部全部君のせいだ。」
「お父さん!!!!!!裕が全部悪いんじゃないでしょう!?あたしもその話聞いたことあるけど、そのときの男の子が裕だって思いもしなかった。裕だから言ってるんじゃないよ。全部悪いのはこころちゃんを襲った犯人じゃない!!裕を責めないで!!」
「なんだ・・・実優も知ってたんだ・・・俺の過去。いいよ、俺が悪いんだから」
「裕は悪くない!!そんなこというならこころちゃんを守れなかったお父さんだって悪いんじゃないの!?」

バシッ

「あんた達・・・いい加減にしなさい!!過去の話いつまでもしてんじゃないよ!!こころちゃんだってかわいそうでしょうが!それから・・・実優、お父さんに謝りなさい」
「・・・ごめんなさい」
「そしたらあなたもよ。裕くんに謝りなさい」
「・・・すまなかった」
「あ・・・いえ、別に俺が悪いんで・・・」
「ああー!!!もう!!誰が悪いとかじゃないでしょ!?!?犯人が悪い!!それでいいじゃない!!それなのにあんた達はグチグチと・・・」
「そーですね・・・。ありがとうございます!」

実優の親父さんはこころの親父さん。
実優のお袋さんはキレると怖いが優しい人。
いい家族だな~・・・