「はい…」

彼女は今にも消えそうな声でこたえた

怯えられてる

当たり前か…いきなり話しかけて

ぼくは心の中でため息を吐いた

すると彼女は

「…何か?」

「はっ?…あ、いえあの…あ、…その花買うんですか?」

「えっ?…いえ、綺麗だなぁって見ていただけです」

ぼくが指差した花を見ながら彼女は言った。眉を少し下げて悲しげに笑う彼女はなんというか…綺麗だった

その花はぼくがさっき買った花で、位置的にさっきまで彼女が立っていたであろう位置で、しかもぼくは今その花を手にしていて、それは彼女からもみえる位置にあって…

ぼくが1人で心の中で整理していると

「あっ…」