傘に溜まっていた雨の雫が玉になってぼくに降りかかる

ぼくはびっくりしたと同時にやっぱりって思った

何故か瞬時に身を屈めた

よくわからないけれど、反射的になんとなく危険を感じたのだろう

効果は…実際よくおぼえていない

そんなぼくを彼女は驚いたような怯えているような、そんな目で僕を見ていた

ぼくは身を屈めたまま

彼女はあの目のまま

2人とも動かない

沈黙が続く

先に沈黙を破ったのはぼく

屈めた体を起こして

「あの…」

声をかけてみた