失われた時を求めて

「わかりました。じゃぁ…五時間後にあそこの喫茶店で…」

そう言って彼女は少し先のケーキ屋を指差した

そこは、ケーキ屋さんだった。テーブルも4つか5つある小さな喫茶店だった…って!

「五時間後!?」

ぼくは思わず声を荒げた

彼女は困りながら

「だから言ったのに」

と言った

ぼくはずいぶん長い病院だなぁとかここから遠いいのかとかいろいろ頭の中を過ぎったけど、全部無視して

「大丈夫、待ってますから」

とだけ言った

できるだけ微笑んで

彼女は

「それじゃ」

とだけ残して颯爽と人ごみの中に消えて行った