「あの…」

「フリージア」

「えっ」

突然、彼女はくるっと体を花からぼくに向けて言った。形のいい眉を寄せて切ない表情で聞いてきた

「あの時の花、どなたに差し上げたんですか!?」

少しだけ声が震えていた気がした…気のせいだと思うけど

「えっ!?…あ、えっも、元カノ」

「…」

彼女はすぐに眉間にシワを寄せてものすごい勢いで睨んできた

ぼくは慌て言った

「ち、違っ…えっと…その時は彼女だったけど今は違うんだ!!」

ぼくはなぜたった数回しか会っていないこの名前も知らない女性に圧倒されてペラペラしゃべっているんだろう…ぼくだって元カノのことは大好きだったんだ。今また追求されるのは辛い。あのあと友達に散々追求されたんだ。今は忘れたい。