ぼくは買ったばかりのフリージアを見つめながら思った

小雨は止まずに小雨のまま

さっきまでの浮かれた感情が消えたぼくの心に1つの答えが浮かんだ



“一目惚れ”



ぼくの心が揺らいだ

フリージアを見つめながら彼女の家の呼び鈴を押しながらぼくは

玄関のドアを嬉しそうに開けてくれた君の隣に“彼女”の笑顔を想像してしまったんだ

ぼくは一瞬寂しい気持ちになった

君に後ろめたい気持ちでいっぱいになった
これからぼくは、君にこの気持ちの正体を言うかもしれないのに

嬉しそうにぼくが選んだ花を見つめる君に

“言いたくないな”

彼女の家のドアを閉める時に思った