あたし÷俺様王子=禁断

「お兄ちゃんはラグビー部の朝練に出掛けたから、もう家にはいないわよ」



『そうなんだ。
でも、良かった。
お兄ちゃんと一緒に卒業式に行ったりしたら、お兄ちゃんのファンの子に取り囲まれて大変だもん』



お兄ちゃんのバカ……



「そんな事より、ひなちゃんの中学校はこの2010年に未だに男子の制服は学ランだったわね。
懐かしいわねぇ〜
卒業式の風物詩と言えば、
『後輩女子達が大激戦を繰り広げる憧れの先輩の第2ボタン争奪戦』
ちなみに何で第2ボタンを記念に欲しがるかと言うと、第2ボタンは心臓に近い場所にあるでしょ。先輩のハート……」



あたしのキモチを全く察しようとしないで、相変わらず無駄に話が長い。



『じゃあ、行ってきます。
ママも早くしないと怪物くんエキストラ出演の現場に遅れちゃうよ』



「え〜
これから話が盛り上がる所なのにぃ〜
あたしは怪物ランドのプリンスと運命の出会いを果たして来るけど、ひなちゃんもプリンスと出会えると良いわねぇ〜
あっ、そうそう。
この前、景子ちゃんと逆ナン……」



王子様なんて、本当は絵本やケータイ小説やイギリスや怪物ランドにしかいないんだ。



たった今、あたしは悟った。