あたしは10年前の王子様との約束を信じて神社に来ている。


『うぇーん
ママー
パパー
どこにいるのぉぉぉ』



5才だったあたしは、お祭りの日に親とはぐれて泣きながら歩いていた。



「ピョピョピョピョッ」



『ぐすっぐすっ。
そうだね。
ひなもさみしいね。
びゃあぁぁぁぁぁぁ』



あたしは買って貰ったばかりのヒヨコに自分と同じ名前である『ひな』と名付けていた。



「びゃあびゃあ泣いてんじゃねぇぞ!!
うるせぇガキだな」