【一話完結×短編集】ビター&スィート

泣きながら思う事は

確かに1月から仕事が忙しいと

会う時間も

電話する時間も

…減ってた


でも、メールはくれてたし

働いてると1月から忙しくなる



同じくサークル内の先輩で

春から社会人になった仲良しの

なっこ先輩が愚痴ってたから

祥ちゃんもそうなんだって思ってた



祥ちゃんは仕事の話とか

私にはしないけど…


本当は疲れてたのかな?


無理させてた?



だから…

大人っぽいあの人のところにいっちゃったの?




どうすれば…また私だけを見てくれる?





“ピンポーン”




インターフォンが鳴る音に

身体がビクつく…



…祥ちゃん?



ガチャッ



鍵が開かれ

ドアノブを回す音が聞こえる




優しい祥ちゃんの事だから

もしかしたら、追いかけてくるかもしれない


そう思わなかった訳じゃない



ううん…追いかけてきて欲しかったんだ



でも…祥ちゃんと話せる自信なんてなくて…





どこまでも自分勝手で


子供で

だから…祥ちゃんも離れていったんだね…



「真優莉?!

大丈夫か??」



祥ちゃんの焦る声が聞こえる



ねぇ?


それは…心の底からの言葉なの?




心が暗く

どす黒くなる…



こんなんじゃダメだ…