【一話完結×短編集】ビター&スィート

クラスが変わり

数ヶ月もすると

クラスの男共の間で話題に上るのは

どの女子が可愛いかとか好みかって事



アキトはそういう話にも

ノリよく入れるけど…俺は聞くだけで…




「天宮いいよなぁ」



「あっ、俺も思ってた」




そんな声にドキッと心臓が跳ねた




目立たないと思ってたのに…




「だよなぁ

何ていうの?

目立つ方じゃねぇけど
優しいし雰囲気がいいよなぁ」



「えぇ…俺は持田かなぁ」



「あっ、持田はやっぱ可愛いよなぁ」




すぐに次の女子の話になったけど

内心穏やかじゃなかった…





昼休みが終わる予鈴がなり

皆が自分の席に戻る




だけど、さっきの言葉が

頭の中で繰り返し流れる




…だけど


どうする事も出来ず


クラスメイトとして過ごす日々




会話はするけど


距離を縮められる訳でもなく…




好きだって…


気持ちに気づいたって…



一度、振ってんだ…



無理に決まってる…



それに、もう俺の事なんか思ってないだろ…




天宮は今、クラスで1番人気がある青島と仲がいい…




バレンタインから何ヶ月も経ってんだ



お返しすらしてない…





何よりもう天宮の俺への態度が

友達だって物語ってるのがわかってんだ…