【一話完結×短編集】ビター&スィート

放課後、委員会に向かう足どりは重く

そのまま帰ってやろうかと思うぐらいだ




女子なんか可愛い笑顔を向けながら

何を考え、何をし出すか

わかんねぇからな




心配ねぇだろって気楽に笑ってたアキトが憎らしくもなってくるぜ




委員会室の前に来ると

中から数人の声が聞こえ

意を決してドアを開いた…




開いたと同時に

目の前には天宮がいて…




思わず身体が強張る





「…やっほ」





戸惑いがちに向けられる笑顔に




「…あぁ」とだけ答え

俺は席に着いた





それでも警戒してたけど



委員会前も

後も

ずっと終始和やかで

俺もいつしか


気が緩んでいた



最初の警戒が嘘のように

何もないまま委員会はそのまま終わった