【一話完結×短編集】ビター&スィート


下駄箱で靴を履き替え

身体が強張るのがわかった



違う列から



……天宮が

…出てきたんだ




なんて…


タイミングの悪さだ…





人が多い時間ならまだしも

まだ登校してくる生徒も少ない




だから…


天宮も俺に気が付き


……俯いた





…気まずい




「おいっ、何…あっ…」




立ち止まった俺に気づき
数歩後ろで声をかけてきたアキトも
気まずそうに俺と天宮を交互に見つめる





そのまま、通りすぎるか?



どうすりゃいいんだよ…




「…おはよ」




小さな声に顔を向けると

無理して笑う天宮が…いた




「おっ…おう」



俺の返事ににっこりと微笑むと

そのまま、天宮は進んで行った




「…いい子じゃん

普通ならクラス違うし
無視したりするのにな」



アキトが横から肩を叩いてきた