主従関係

「雨、すごいねぇ?」


花蓮が額に張り付いた水滴を手で拭った。


と突然、


ピカッ!!

ドーーンッ!!


光ったと思ったら大きな雷の音がした。


「きゃぁーー!!」


花蓮が大声で叫んだ。
ブルブルと震え、目に涙をいっぱい溜めて両手で耳を塞いだ。


「かれんちゃん!だいじょうぶだよ。」


幼い俺は花蓮をギュッと抱きしめ、頭を撫でてやった。


花蓮はギュと俺にしがみついていた。


雷が鳴り止むまでずっと花蓮の頭を撫でてやった。


通り雨だったみたいで、雷は止み、空も晴れていった。