「皆さん、お忙しい中お呼び立てして申し訳ありません。」
おもむろに直人様が口を開いた。
ゴクリ。
何を言われるのかと心臓がドキドキし冷や汗が流れた。
「僕と花蓮さんの婚約の許可を頂きたいのです。」
ザワザワ。
「当家としましては櫻庭家がいいと申しますなら何も問題ございませが……。」
父も直人様の言葉に驚きを隠せないようだった。
「ちょっと待ってください!!花蓮さんは私と婚約しているのですよ?今さらそんなこと困りますよ!!」
和也さんは興奮した口調で私の前へ立ち、まるで私を守るかのように直人様から遮った。
「どういうつもりですか?このまま真田家を乗っ取るつもりじゃないですか?」
「和也!直人様に向かってなんて言う事を!口を慎みなさいっ!!」
「お祖父様はそんな甘い事言ってるからダメなんです。このままじゃ真田家は櫻庭家に食い潰される。」
「黙らないかっ!」
「ふぅむ。実は最近、和也君の考え方のような櫻庭家に対して不満を持つ真田家の上層部が不穏な動きをしていてな。それを払拭する為に花蓮ちゃんと結婚をして改革をしたらどうかと直人から話があってなぁ~。」
直人様のお父様が顎の髭を触りながら静かに話し始めた。
「はっ。当家にそのような動きが!?申し訳ありません。」
お祖父様が深々と頭を垂れた。

