「あまりに驚いてな……ちょいとこやつの足を地面に貼り付けて珠(たま)を奪っただけじゃ」

「……お師さま」

 リャムカはあちゃ~と頭を抱えた。

 有無を言わさず球を強奪するとはお師さまらしくない事をした。

 時々こういう無茶をするからリャムカは目が離せないのだ。

「あなたはスナイプを導く老師の1人なのですよ。それを自覚なさってください」

「わかっておるわい! ちゃんと手加減したからこの者はいま生きておるのだ」

「まったく……呆れて者が言えません。処でお前エイルクと言ったか、何故マナ・グロウブを持っていたのだ?」

「……」

 少年は黙り込み視線を泳がせた。それにナナンはイラつく。

「もうよい。リャムカ行くぞ」

「はい」

その言葉にホッとしたエイルクだったが……

「のわっ!?」

 リャムカに首根っこを掴まれズルズルと引きずられた。

「えっ……ちょっ……?」