「こりゃ! お前はシルヴィを加勢せんかい」

「私はお師さまを守ります」

「な、何? 何が起こってんの……?」

 状況の解らないディランはどうしていいか解らず右往左往した。

 そうして突然──闘いが始まる。

 ガタイの良い男が白銀に向かって何かを投げる動作をした。

「!」

 嫌な予感のした白銀がとっさにそれを避けると壁に何かが突き刺さるような激しい音が響いた。

「……」

 白銀は息を呑む。三つ叉に別れた矢が金属の壁に突き刺さっていた。

「なっ何アレ!?」

「こりゃヤバイ……奴は物質化能力を持っとるのか」

「があぁ!?」

 投げられる矢を避ける白銀に今度は別の何かが襲いかかった。体がしびれる。

「ぐっ……」

 光が走っってきた先を見ると細身の男の手から光る稲妻が発せられていた。

 そしてもう1人の男も白銀に向かってくる。