「……それだけ?」

「それだけ」と、白銀。

「うん」ディランもうなずく。

「親父殿の行方不明とは?」

「知らねーよ。俺がまだ小さい時にいなくなったってだけだ」

「母上殿の容態はいかがじゃ?」

「さあ」

 白銀の表情が少し硬くなった。あまり思わしくない様子だ。

「子供なんか産むからだ」

「! シルヴィ! お前まだ……」