「だろうな。近くの惑星に降りるぞ、船の修理や補給もしないと。金を頂いたらジイさんともお別れだ」

「えぇ~?」

 とても残念そうにつぶやく老人に目をやったあと肩を落として大きな溜息を吐(つ)いた。

「ジイさん……本当に金はあるんだろうな?」

「あ、当たり前じゃ! ちゃんと年金が銀行に入っとる」

 年金ねぇ……そんなものスナイプにあったっけか? 半信半疑の白銀に通信が入る。

「ディランか、なんだ?」
<今どこにいるんだ?>
「今? スナイプの近くだ」

<ええっ!? スナイプって原因不明の崩壊を始めたって星じゃないか!>

 白銀は苦笑いした。その張本人が自分です。なんて言えない。

<まあいいや、そこからなら『リューシャン』に近いだろ。来てくれよ>

「リューシャン?」

 確か銀河連邦の本拠地じゃないか。

<政府がまたお前に頼みたいんだってさ。シエンナ空港にヨロシク>

「……」

 用件だけ言って切りやがった。旅費と修理代に金が欲しいのは確かだ。

 もっとも、口座の方にはかなりの金が入ってはいるのだが。