急いで鞄を肩にかけ、階段を登った




「いないか…」





多分昨日で私を……また嫌いになったかもしれない





私の態度は冷たく、人に好まれないタイプだから




嫌われることには慣れてる




だけど、渚には嫌いにはなってほしくない





「顔、真っ赤走ってきた?」

「うん」





そう言ってる渚も汗がびっしょり滴ってる




軽くタオルで拭き取る渚




「昨日のこと…」

「なんのこと?」

「昨日……雷あってせっかく渚きてくれたのに、追い出したからさ…」


「気にしてたんだ、瑞葵には珍しいな」


「とにかく……ごめんなさい」





攻めることなく、許してくれた




器の大きい人





「でもさ、抱きしめさせろ」




また、あのどうしようもない感情…




手はぶら下がったまま
渚に抱きしめられた





「信じろよ、気持ちはわかるけど」


「……何がわかるの」


「過去に何があったんだよ、何も言わないから話してくれ」


「まだそれは無理」


「そうか、待つっていったの俺だもんな」






解放…して退屈から
答えを出してくれればきっと私は運命から脱出できる