奈々を見送って、屋上にきた

下の方から声が聞こえてくる


「好きなのか?」


「ああ一目惚れだし、美しいし、救ってあげたい。」



渚の声だ…


好きな人いるんじゃん


じゃあこの前、私に好きな人聞いたのは一体なんだったの?


あの優しい声でいう美しい人は…誰



――――そうか、騙そうと
してるんだ


私にキスしたのは、気休め
性欲処理したかっだけ



「一目惚れ?告白しろよー」

「その子、何回も断ってる」


モテてる人だなあ…
そんな人に惚れるのは
当然のことか


「今からあってくる!」

「じゃあなー」



まだ学校にいるんだ
渚の好きな人…。



一人で10分ぐらい待った



話してるのかな、



「ごめん、遅れて」


「ああ、いいよ、好きな人と会ってたんでしょ」


「聞いてた?」

「うん、少しね」


「もう会ってるよ、好きな人と」


「そう、それは良かったね



チラッと渚をみると
顔をしかめた



「答え見つかったでしょ?
あれから1週間くらいあったんだから…。」


「もし俺が答え言ったら
瑞葵は俺に用なし?」


「多分ね…。」



答え見つかったら屋上来なくていいからね…。


接点無くなるんだ渚と



じゃあ毎日渚は放課後、
好きな人との時間が増えて
楽だろうし



「じゃあ俺、答え出したくないなー。」



放課後に好きな人と会う口実が毎日必要だからだろ?


そういえばいいのに



「渚の好きな人、どんな人?」


「美しくて、苛めたくなる人」


その人をたからものように
思いながら、笑う渚



愛されてるんだね、その人