「待って!」


閉まったドアに声をかけ、
勢いよく、扉を開けた。


「ん、何?」

「勝手にいかないでよ…。」


初めてだ、渚から私をおいてどこかにいってしまうのは


「寂しかったの?」

「ちがう…わけのわからないまま話が進んででていくから。」


違う、そうじゃない。
置いていかれるのはいや
残されたみたいで。



「そうじゃないだろ、お前泣きそうな顔してる。!」



ふわっと抱き寄せられ、
身動きができない。


「してない…!!泣くわけがない!」


「でもさっき寂しかったのは事実だろ?」



言葉が落ちるように私に注がれる。



そんな渚を見上げ、心臓がもたないから、両手で
渚の胸板を押し逃げようとした…



けど、



「逃げようとしてる?そうはさせないから」


「はなして!寂しくなんかない!」


「素直にいわないと、何かするよ?」


「だから、寂しきな…ん」


抵抗しようとした、両手が
捕まれ無理だった。


振りほどこうとしても叶わない



「っはぁッ…、何するの
?!」


「瑞葵が素直にならないから…」



大抵の人は、寂しくないといったら、放っておくに
渚は違う。



「俺はお前をおいていかないって約束しただろ?」


さっきまで触れられていた
両手は自由になり



頭を撫でられた


「あ…りがと」


自然に口を動かしてしまった言わないはずだったのに



「今日も来るよな?」


「わかんない…、退屈だったら行く。」



退屈に決まっている…


渚に会いにいっているみたいで…。



心を許してしまう。
ひさびさの感覚に