わたしの、センセ

「ちょっと待ってください。婚約は破棄します。だから今回の取引は…」

『そうか。破棄するか。なら考えてやる。きちんと破棄をしたら、俺の元に来い。中途半端な嘘をつくなよ。俺は嘘は嫌いだからな』

電話の相手が、通話を遮断するのを聞いてからパパは重苦しいため息をついた

額を抑えると、ハッとした顔をする

「あの似非教師の仕業かっ!」

パパが拳がプルプルと震えた

「あの男…小山内と知り合いだったのか。どうりで強気な態度なわけだ」

パパは椅子に座ると、さらに不機嫌な顔をしてご飯を食べ始める

「道隆君との婚約は破棄する。くそっ…あの教師の言うとおりになるのは悔しいが…小山内の会社に突っぱねられるほうが痛いからな。くそっ」

パパは舌打ちをすると、パクパクと夕飯を食べ始めた

センセ…凄い

パパの口から本当に、婚約破棄の言葉を聞けたよ

ご飯が食べ終わったら、センセにお礼のメールをしようっと

センセ、ありがとう

すごく嬉しい