わたしの、センセ

-さくらside-

「このままご主人様と待ち合わせとしているレストランでよろしいでしょうか?」

運転手の男が、わたしに声をかけてきた

「はい」

わたしが返事をすると、運転手が「かしこまりました」と呟いた

駅のロータリー前の信号で、車が停車する

わたしは何気なくロータリーに目を向けた

一台のバイクがロータリーの前で停まっている

なんか見たことのある背格好だなあ…なんて思っていると、ヘルメットを外した顔を見てわたしの心臓が跳ね上がった

松浦先生っ

わたしは大きく目を開けると、窓に張り付いた

ゴールデンウィークで、学校は休み

先生に会えなくて、少し寂しく思ってた

そんなときに松浦先生に会えるなんて、すごく嬉しい

運命かな? なんて思うと勝手に頬の筋肉が緩んじゃう

「ちょっと止めて」

わたしは運転手に声をかける

「はい」

運転手がファザードランプをつけると、車を左に寄せて停車した

先生にメールしちゃおう!

先生、驚くかな?

わたしは携帯をバックの中から探して握りしめると、先生の姿を見つめた

松浦先生は、バイクに近づいてきた女性とキスをすると楽しそうに会話をしていた

……え?

せ…先生?

女性が先生のバイクの後ろに座ると、ヘルメットをかぶって、先生に抱きついた