わたしの、センセ

僕は、バイクから降りると、さくら色のヘルメット座席の下から出した

さくら、僕と一緒になろう

今までのさくらみたいな裕福な生活はできないけど、愛のある生活を送ろうよ

二人で、一緒に…さ

ささやかだけど、愛情のある温かい毎日にしよう

愛してる、さくら

道隆っていう婚約者と結婚をしないでくれよ

僕と一緒に行こう

僕と……遠いところに行こう

僕は携帯をポケットから取り出すと、さくらしか入ってないアドレス帳を開いた

電話をかける

携帯を耳に押し当てた

出てくれるだろうか

さくらは、僕の電話に気づいてくれるだろうか

不安が胸を支配する

もし…出てくれなかったら、僕は一人虚しくここを去るしかないのか?

それとも式場に乗り込んで、無理やりでもさくらを引っ張り出してこようか

大丈夫

きっと、さくらは電話に気づいてくれる

勇人さんが、中に入って呼びに行ってくれたんだ

さくらはここに来る

僕が不安になってどうするんだよ

これからさくらと生きていくのに、僕が弱気になったら、幸せになれないだろ