わたしの、センセ

「頼っていいんですか?」

「頼れっつってんだよ。中途半端にされるほうが、むかつくだろ。変に足を突っ込んだまま、お前らが不幸になったのを見届けるのは、俺の気が済まねえなあ。しっかり幸せになれ。お前はお前のできることをすればいい。俺は、俺のできることをする。それでいいんだよ」

勇人さんが、自信のある輝いた瞳を僕に向ける

強いな、この人は…強すぎる

精神力が、オーラが違う

「ありがとうございます」

「ふん…ただ、俺が暴れたいだけだ」

勇人さんが僕の背中を叩く

この人は…そうやって、てれ隠しするんだからなあ…そこがまた愛おしく感じさせるよね

勇人さん、僕は勇人さんを尊敬してます

「お前はここにいろ。さくらって子がでてきたら、さっさとバイクで立ち去れ。あとは俺に任せろ。ゴジラのごとくこの結婚を粉々に壊してやる」

勇人さんが、楽しそうな顔をして僕から離れた

「勇人さんっ…もう一つ、我儘を言ってもいいですか?」

僕は、式場に向かおうとしている勇人さんの背中に言葉を投げた

「ああ、構わねえよ。どうせお前の頼みごとなんて、わかってるけどな。手配しておいてやる。落ち着いたら、連絡してこい」

勇人さんが振り向かずに、返事をしてくれると肩腕をあげた

やだなあ…僕の頼み、バレバレじゃん