中学に入って最初の授業の時だった。

俺が板書をしていると、隣に座るサトミが「あ」と言う小さな声をあげた。

俺はチラリとサトミを見るとシャーペンをカチカチとして自分の筆箱を探っている。

恐らくシャーペンの芯が切れたのだろう・・・


が、どうやらシャーペンの芯が無いらしい。

サトミはいきなり頭を抱えた。

分かりやすい奴だった。

サトミ「ん〜・・・・」


何か、うなりだした。

そしてキョロキョロし始める。

俺は自分の筆箱からシャーペンの芯ケースを取り出して、そのままサトミの机に置いた。

サトミは俺を見て口だけで「良いの?」と聞いてきた。

俺は黙って頷く。

サトミはシャーペンの芯を一本取り出して、ノートを少し千切った。

そして俺に芯ケースとノートの切れ端を渡してくる。